らぶ・みー 
いつも通り、家から少し離れた所で降ろしてもらった。

今までは周りの目を気にしてそうしていたけど、悲しいことにそれが役に立つ時が来た。

彼は私の家の場所を知らない。

私が突然目の前から消えても、簡単に探すことはできないだろう。



作り笑顔で涙をこらえながら、車を見送った。

今日一日、彼が見せてくれた幸せそうな顔を思い浮かべながら、車が見えなくなるまで。



「じゃあ、またね。」



彼の何でもない言葉が、耳の奥から離れない。

次は無いって、彼は知らない。

こんな別れ方は良くないってわかっているけど、「さよなら」なんて言えなかった。

別れたくないのに、愛してるのに、「もう会えない」なんて.......
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