らぶ・みー 
Chapter 14 思わぬ再会

chap.14   思わぬ再会



「はい、これ、おまけね。」

「え、いいの?」

「雪乃ちゃん、頑張ってるから、おじさん、応援したくなっちゃうんだよ。」

「ほんと?ありがとう。じゃ、また来ちゃお。」



子供の頃から通い慣れた商店街の人たちは、優しい。

私が子供を連れて出戻って来たと知っても、みんな温かく迎えてくれた。

今更ながら、下町にいると人情の有り難さを切に感じることが多い。

子供二人を育てていくのは大変だけど、元気で明るい地元の人たちを見ていると、何とか頑張ろうという気になれる。



あれから、もうすぐ半年が経つ。

私は結局、益田さんと同じ道を選んだ。

離婚をして、子供二人と実家のすぐ傍にアパートを借りて暮らしている。

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