らぶ・みー 
約束の日、いつもの場所で待っている私を見つけると、彼は今までで一番嬉しそうな顔を見せた。



「お待たせ。今日は早かったんだね。」

「今日は、ちゃんと時間通りにパンが焼けました。はい、どうぞ。」



酵母入りのパンプキンパンを差し出すと、彼は私の肩に手を回し、キスされるのかと思うくらい顔を近づけて、髪の匂いを嗅ぎ始めた。

恋心を自覚しているだけに、突然こんなことをされると、心臓が飛び出そうになる。



「ありがとう。やっぱりパンの日は、めっちゃ美味しそうな匂いがする。あ、でも.....雪乃さんの方が、美・味・し・そう。」

「へ!?」

「なんて声出してんだよ。冗談だろ。」
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