らぶ・みー
「ありがとう。良かった。いい人に拾ってもらえて。」
「あ、いいえ。」
「俺、今日、携帯落とすわ、傘は壊れるわ、散々な日で.....。」
ぱっと見、無表情な子なのに、ほんのり笑顔を浮かべただけで随分と雰囲気が変わる。
さっきまで色気を漂わせていたはずが、一瞬にして少年の顔になる。
その笑顔のギャップに、妙にドギマギしてしまう......
私はそれをゴマかすように、慌ててバッグから携帯を取り出し、両手で差し出した。