らぶ・みー 
車に戻ると車内の空気はもう冷たくなっていて、エアコンをつけたら、フロントガラスが一瞬で曇った。

外の景色が見えなくなった二人きりの空間に、沈黙が流れる。

彼は思いつめたような顔で、黙ったままハンドルにもたれかかっている。

これから何かを言おうとしているのがわかるから、胸が張り裂けそうにドキドキする。



「驚いた?いきなりあんなことして。」

「うん。....ちょっと。」

「こだわるつもりはないんだけど、いつもはしてないのに、今日はつけてたから、指輪つけたままだと本音を言ってもらえない気がして。」

「.....うん。」
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