らぶ・みー 
彼はまた私を緩く抱きしめて、しばらく黙ったままでいた。

雨はさっきより強くなっていて、窓の外がよく見えない。

聞こえるのは、雨の音と彼の鼓動だけだ。



もうすぐ帰る時間になってしまう。

まだ、帰りたくない.......



見上げると、彼はどことなく色気の漂う切なげな目になっていて、別れを惜しむようにそっとキスをした。

そして、私をしっかりと抱きしめ、耳元で囁いた。



「好きだよ.....どうしようもないくらい。」

「.......。」

「やっぱり.....雪乃が、全部欲しい。」

「.......うん。」
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