声をきかせて
初恋
遠い昔の初恋…。
今となっては思い出。
もう二度と初恋の人に
会えるわけないって思ってた。
今年で22歳。
私はごく普通にOLで
恋愛なんかいっぱいしたけど。
うまくいかなくて
もう投げやりになってた。
昔にもどりたい。
ただただ願うばかりだった。
叶うわけないことに
私は少しでも期待していた。
バカだと思われても
しかたないのだろう。
-…バン!!!
「いったぁあ…!」
「ごめん!大丈夫?」
「アッ、はい。」
見知らぬ彼は転んでる私に
優しく手をさしだしてきた。
「ありがとうございます。」
「いやいや、こっちこそごめん。」
「あ…ごめんなさい…それ…。」
「え…あぁ、こんくらい平気!」
彼のスーツには私のコーヒが
べっちゃりかかっていた。