文科系、体育会系に踊らされる
是日常。
うちに生息する下のチビが、聞き分けが悪い。
野郎のくせにぎゃあぎゃあ泣いて地団駄ふんで、このままではご近所様に虐待と通報を受けるのではないかってくらい泣き叫ぶ。
切れた私はチビに詰め寄る。
「こら、いい加減にせんと逆さ吊りにして川に捨てるぞアホ!」
すると相方がちょっと待ったー!と叫ぶ。
「いくら幼児でも結構な重さだぞ。君の腕で逆さ吊りに出来るのか?!」
私はハッとした。無理かも!チビとはいえ生意気にもそろそろ体重は14キロだ!
「むっ・・・無理かも・・・」
文科系出身、口は悪いけど非力な私はヨロヨロと床に手をつく。その後ろで、体育会系出身情熱男の相方がガッツポーズを作って声援を送った。
「大丈夫だ!鍛えれば、何とかなる!」
「そ、そうね!」
「そうだ!」
では、とまず腕立て伏せから開始。
ああ、痛い。使われてない筋肉がみしみしと悲鳴を上げる。ついでに持ち主の私も悲鳴を上げる。
「むっ・・・無理です、コーチっ!」
「立て!君はこんなところで終わる女じゃない!」
「はい!」
汗を飛び散らせながら並んで腕立て伏せ。力をつけるのよ、私!それが自分の明るい未来に繋がるのよー!とほぼ陶酔の勢い。
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