夢あゆみ ~君と生きる未来~


「トシ!」



彼は希世さんが握るカッターの刃を折ると床に落とした。


血と共に折られた刃は床に落ちる。



「くっ…」



「トシ、大丈夫!?」



私はトシに駆け寄った。



「ああ、大丈夫だ」



大丈夫な訳がない。



カッターの刃を素手で握ったせいで手の平はバックリと切れ、血が溢れ出て来ていた。



私はポケットからハンカチを取り出すと、その傷口を縛った。






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