*9月26日* ―それでも君が好き―
第一章 -プロローグ-
*3月28日* 幸せの瞬間
春を迎えようと だんだんと暖かくなりつつある今日この頃。
部屋の窓を開けて まだ冷たい風に深い深呼吸をする。
閉じた目をゆっくり開けて 窓の外の景色から部屋に目をうつすと どんよりと気分が重くなる。
「はぁ――…。」
春と言えば 新しいスタート。
中学校3年生はあと2日で終わる。
4月になれば高校生の仲間入り。
だから 気持ちだけじゃなくて形でも新しいスタートを切ろうじゃないか!!…って始めた部屋の片付け。
だけど 今気づく。
…散らかしているよね 確実に。
「ぬあぁ――!!!」
ますます散らかるばかりで 思い描いたピッカピカな部屋は程遠い。
「だめ 全然進まないゃ…。」
どうしてこんなどんよりした気分のときだったんだろう。
〜♪〜♪
ベッドの上に放られた携帯がなる。
そして 画面が示す名前に心臓がドクン。
「えっ…剛…!?」
宮津 剛(みやづ ごう)は 私の好きな人。
中2からの片想い。
だって噂があるんだもん。
剛は私の1番の理解者であり親友の 大峰 潤(おおみね じゅん)が好きなんだって。
酷だよね よりによって親友って…。
それでも諦めずに頑張れるくらいに 私は彼に惚れていた。
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