*9月26日* ―それでも君が好き―




1限が終わるチャイムがなると その3秒後に剛が私を呼びに来た。


「奈穂ー。」


夏架と砂依がニヤニヤしながら私を見てた。


ちょっと恥ずかしかったけど 私は迷わず剛に駆け寄った。


「あのメールなに? ホント 面白すぎて吹き出しそうだったんだから。」


「俺ら教科担任が休みで自習だったんだ。」


笑った顔がかっこよすぎる。


いたずらっ子みたいな 向日葵のような笑顔。


つられて私も笑顔になるんだ。


「次はメールだめだからね? 歴史なんだから。」


歴史の教科担任は いつも黒いスーツの怖い先生。


まだ1年生の私たちは 歴史の教科担任にビクビクしているのだ。


「逆に送りたくなっちゃうよ。 俺ドSだから。」


今度はにやっと嫌らしい笑みを浮かべる。


「意地悪なんだから。 いいもん 電源切っとく。」


私もつられてにやっと笑う。


剛といると 気持ちまで剛に染まってしまう。


表情や仕草までも。


本当は 例え次が歴史でもメールがほしかった。


席は後ろの方だし 簡単にはバレない。


何より クラスが違っても 同じときを一緒に過ごしているような気になれるから。


だけど私は そんな可愛い性格じゃないから メールちょうだい?なんて言えない。




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