*9月26日* ―それでも君が好き―
だめ 私こういうの苦手だな。
「あのっ 話の途中ごめんね。 私 そろそろ教室戻るよ。」
これ言うのも結構勇気いるんです…。
「そっか 奈穂なんかごめんね。 またお昼一緒に食べようね。」
「うん ありがとう。」
潤は どんな子とも馴染めていいな。
笑顔でいられて 羨ましいな。
「奈穂ちゃんまたね。」
4人も私に優しく手を振ってくれた。
別に 4人が悪いわけじゃないのに 私の勝手な苦手意識で嫌な印象がついてしまう。
この 相澤くんと……えっと……。
「ねぇ ずっと気になってたんだけど 君だれ?」
「へっ!?」
えっと……私も今思ってたからちょっとびっくりしちゃったょ。
「…私は…C組の高木奈穂です。 えっと 相澤くんとは同じクラスで 潤とは親友です。」
ちょっと 敬語使いすぎて重かったかも。
言ってから反省 よくあることです。
「…へぇ 大峰と親友か…。」
あ 食いついたのそこですか。
私の名前のついでに言ったそこですか。
「俺はE組の佐々木 健吾(ささき けんご)。 よろしくね。」
「こちらこそ。」
佐々木くんが笑ったから 私も笑ったけど上手く笑えたかな。
なんか やっぱ私って人見知りなとこあるなー。
だけど しっかり覚えたんだ。
里香ちゃん 麻緒ちゃん 華菜恵ちゃん 彩音ちゃん 相澤くんに 佐々木くん。
そう 彼の名前もしっかり覚えた4月16日。