*9月26日* ―それでも君が好き―

*4月23日* 全部のきっかけ





あれから 潤にお昼を誘われることが増えて 夏架と砂依も来ないかと声をかけたのだが 「ごめん 私たちにはちょっと苦手なタイプなの。」って断られた。


剛は 「他の男と飯食うの?」とか言ってたけど 潤も一緒ならと許してくれた。


「奈穂ー 迎えに来たぞっ。」


4限が終わると潤たちが私を呼びにくる。


「高木待って 俺もいく!!」


ついでに相澤くんも一緒に。


そうなると自然と向かうのはE組 佐々木くんのクラス。


「健吾ー 飯行くぞー。」


「はいよー。」


明らかに男女の比がおかしい。


6:2って ちょっとね…。


だけど 一緒にいるのは楽しいと思い始めていた。


佐々木くんと相澤くんは 決してチャラくなんかない。


里香ちゃんたちとはちょっと違うタイプだ。


だから 初めは人見知りで話せなかったけど ちょっとずつ馴染めてきたと我ながら思う。


「ねぇ奈穂ちゃん たまご焼きちょーだいっ!!」


私のお弁当に侵入してきた彩音ちゃんのお箸。


「どーぞ。」


お弁当は 毎朝お母さんと一緒に作る。


冷凍食品は使わないで 朝からたくさんのおかずを用意して可愛くつめるのが何となく楽しい。


だから早起きも苦ではない。


「高木の弁当って いつもうまそうだよな。」


お弁当を褒められるのはすっごく嬉しい。


「ありがとう。」


「奈穂は 女子力高いもんね。」


こうやって話の中心になることも 多くなったなと思う。




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