*9月26日* ―それでも君が好き―




「健吾のさ 高木も協力してくれんの?」


「えっ?」


「だってアド交換してたじゃん? 協力してくれんのかなって。」


あと数分で授業が始まるからか 教室にみんなが戻ってくる。


だんだんと騒がしくなっていって 黒板の落書きも消された。


「相澤くんは佐々木くんを応援してるの?」


「そりゃ 友達だから。」


「そっか…。」


協力するのは別にいい。


だけど もしも潤が佐々木くんを好きじゃなかったら…。


まずは 私が潤の気持ちを確かめておかなくちゃ。


「…考えとく。」


「っしゃ!! よろしくな。」


そう言うとあっという間に席に戻っていった。


結局言いたかったのはそういうことだったんだろう。


「私に…協力してほしい…?」


だけど 何ができるんだろう。


ずるいことはしたくない。


「……とりあえず 佐々木くんにメール……。」


胸ポケットから携帯を出して 佐々木くんのアドからメールを送る。


――――――――――
to. 佐々木 健吾
件名/Re:
04/23 13:14
--------------------


高木です

よろしくね


――――――――――


当たり障りないメール。


5限はすでに始まっていたけど 佐々木くんから返信があったから メールをすることにした。




< 20 / 82 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop