*9月26日* ―それでも君が好き―
ぼーっと剛を見つめる。
と 剛が部室の中に消えたと同時に出てきた人物。
「おっつ…。」
佐々木 健吾。
あれ 野球部だったんだ。
…潤に聞かないとな 佐々木くんのやつ。
潤ももし佐々木くんが好きだった場合 どうすればいいのかな?
佐々木くんに言っちゃう?
いゃいゃ それはずるいことになるか。
じゃあ 相澤くんに言う?
……今日 なんか変だったもんな。
私を探るように見てきた。
くすぐったい感じで 何だか心地悪かった。
相澤くん…ちょっと苦手だな。
私はこれからも 相澤くんたちとご飯食べるかな?
そしたらまた 夏架と砂依と距離あいちゃう…。
クラスメイトに友達いないだなんて寂しいし 恥ずかしい。
だからじゃないけど 私には2人が必要だ。
その時 上からふってきた声。
「なーほー。」
ばっと上を見上げたら にこにこの潤の顔。
「潤 遅かったね。」
「うん 掃除当番だったの…。」
嫌そうに言うけど どうやらにやけが止まらない様子。
「なに にやにやしちゃって。」
「奈穂っ あのねあのね!!」
隣に並んで座る潤に 「なに?」と返したら 更ににやけた顔で言った。
「…さっき相澤にいいこと聞いちゃったの。」