*9月26日* ―それでも君が好き―




「相澤くんに?」


「うんっ。」


潤はにやにやしちゃって 何だか気持ちが悪い。


「面白いことになりそうだよ。」


きっと教えてくれないから あまり追求しないことにした。


そしたらまた上からふる声。


「たーかーぎさーん。」


同時に頭に走る鈍い感覚。


「いたっ。」


何か固いもので頭を叩かれたんだ。


見上げると 私を見下ろす相澤くん。


……また相澤くん?


「なにで叩いたの? 痛かったよ。」


むすっとして言ったら ちょっと目をそらしてキョロキョロ焦った様子の相澤くん。


…ん?


「…相澤くん?」


眼鏡をかけ直して そっぽを向いてしまった。


「相澤くん どうかしたの?」


見上げるのをやめて ちゃんと振り向いて相澤くんを見る。


そしたら 相澤くんが手に持っていた缶ジュースに気付いた。


「あっ ジュース!!」


立ち上がって相澤くんと向き合うと 改めてその背の高さに驚く。


「ジュースで叩いた…ってか当てた。」


「ジュース当てるなんて 痛かったよ。 しかも缶だし。」


ジュースをくれると思って期待したのに ちょっとがっかりだ。




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