*9月26日* ―それでも君が好き―




「大峰…えっ 見てたの?」


佐々木くんの焦るような顔。


「残念ながらほとんど見てないよ。 見てたのは奈穂だけ。」


ちょっと素っ気ない潤の返事に たちまち相澤くんが焦り出す。


<これじゃ好きじゃないのがばれるっ。>


目で訴えてくる相澤くん。


<そんなの仕方ない。>


目で返す私。


<なにをっ。 協力してくれんだろっ?>


今度はジェスチャーで伝えてくる相澤くん。


<潤の気持ちを偽るのが協力ですか?>


口パクで返す私。


だって 間違ってないよ。


もしそれが協力と言うならば 私は応援なんかしない。


<じゃあ 言うのか?>


<さぁ それは相澤くんに任せるよ。>


困ったような 何かある顔をして私を見た相澤くん。


そんな何かに必死な相澤くんに私は思う。


相澤くんと佐々木くんって 何なんだろう?


こうやってこの日から 私はやたら相澤くんに絡まれるようになり 潤は佐々木くんにアピられるようになり 剛は相澤くんに敏感に反応するようになった。


相澤くんと佐々木くん 2人が私のなかで大きくなり始めた 4月27日。




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