*9月26日* ―それでも君が好き―




「ねぇ 今日昼一緒に食おうぜ。」


トンッ。


私の肩と佐々木くんの腕が当たる。


剛の顔がちらつくけれど 剛が敏感なのは相澤くんだけ。


じゃあこの罪悪感はなんだろう。


「いいよ。 剛と相澤くんにも声かけとくから。」


「えっ 大峰は?」


はぁ 本当に恋愛初心者なんだから。


って キスもしたことない私が言うかって。


「佐々木くんが誘うのー!!」


「あっ そっか。」


こんな恋愛経験のない私に相談する佐々木くんは付き合ったこともないそうで。


告白だってそこそこされてモテてるのに 肝心な人には告白せずされず。


手を繋いだこともないって。


「私が潤のクラス行くまでに誘えてなかったら 今日は別だからね。 がんばって。」


私が1番 佐々木くんの近くで協力とやらをやっていた。


相澤くんは何だかんだ 話しかけてきても佐々木くんの話題には至らないし。


「分かった。 じゃあ誘ってくるわ。」


「うん がんばれ。」


タッタッタってきれいなフォームでA組に向かって走っていった佐々木くん。


それをしっかりと見届ける。


教室に戻ると 夏架と砂依が私の席で話していた。


…今もまだ 距離を感じていた。




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