*9月26日* ―それでも君が好き―




4限が終わると 私は相澤くんを誘わなければならなかった。


チャイムと同時にみんなが席を立ち 私も流れに沿い席を立った。


いつもなら 夏架と砂依が私に声をかけに来る。


だけど今日2人は 何やらコソコソ話してから 教室を出ていってしまった。


「………っ…何よ 何なのよ。」


ぎゅっと握りしめる手。


「高木ー 今日一緒に食おうぜ。」


相澤くんの能天気な声が私の上がった感情を沈めてくれた。


「…うん。 ご飯行こっか。」


いいや 気にしないでいよう。


きっと明日にでもなれば もとに戻ってるから。


「剛誘いにいってくるね。」


剛のクラスまで歩いた廊下。


1人の自分が何だか惨めだった。


クラスに一緒にいる女の子のグループがない。


静かな性格だからとか そういうのが理由じゃなくて。


「剛 ご飯一緒に食べょ。」


廊下から剛を呼ぶと わってみんなが私を見て笑った。


「きゃっ 高木さんだ。」


「やばー いいなっラブラブ。」


…剛のクラスは いいクラスだな。


優しくて思いやりのありそうな子たちばっかり。


「おっ 俺も誘おうかなって思ってた。」


「そっか。 佐々木くんと相澤くんと潤もいるよ。」


優しく肩を引き寄せてくれる。


ぐっと顔を近付けて囁く言葉は 「好きだよ。」


ぶわーっと体温が上がって 「ばっばか!!」としか返せなかった。


だけど 嫌なことは一瞬で忘れられた。




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