*9月26日* ―それでも君が好き―
「……部活はいいの?」
話したことのない女子の机に伏せながら 野球部を見続けた。
だめ 今佐々木くんを見て余計なことを口走ったら 弱いところを見られてしまう。
「ファイル取ったらすぐに戻るつもり…だけど……大丈夫?」
足音が近付いてくる。
「……何が?」
深い息を吐いて涙をおさえる。
「だって 目が死んでた。」
「死んでないよ 別に。」
トン。
私の頭に優しく触れた 佐々木くんの大きな手。
「……っ…。」
なに…なに…なによこれ…
なんだろう 何だか胸がぎゅっと痛くなる。
「…どうしたんだよ?」
……浮かぶ剛の顔。
増していく罪悪感。
あの休み時間に感じたやつだ。
あ…今目があった気がする。
見られたらヤバイんじゃないのかな?
なのに やめてって言えない。
……私は何をやっているんだろう。
頭にある彼の手に私の手をそっと添えた。
涙が 止めどなく溢れた。
剛と佐々木くん 2人に感じるふたつときめき 5月8日。