*9月26日* ―それでも君が好き―
*4月7日* 新しいスタート
まだ真新しい制服 靴 バックに身を包み 鏡をじっと見つめる。
朝は潤と約束をしていた。
剛といきたい気持ちもあったけど ちょっとまだ気まずいから誘うのはやめた。
リビングにおりると この日のために買ったというスーツを着て びしっときめたお父さんとお母さん。
「あら まだ早いんじゃないの? 約束の時間はまだでしょう?」
メイクをしながらお母さんが言う。
「いいの。 ゆっくり歩けば大丈夫。 遅れちゃうよりいいでしょ?」
「まぁ…。 制服 汚さないでよ?」
「幼稚園児じゃあるまいし。」
お母さんがニコッと笑った。
「あんなに小さかったのに…。」
せっかくメイクをしたのに 目には涙が浮かんでいた。
「お母さん! メイクぐちゃぐちゃになっちゃうょ。」
お父さんは笑いながら「本当に涙もろいなー。」なんて言っていた。
朝からすごく胸が温かくなる。
私は今日から 新しいスタートをきるんだ。
「じゃあ 行ってきます!!」
勢いよく開けた玄関の扉の外には 暖かな春の陽気が待っていた。