*9月26日* ―それでも君が好き―




だって あまりにも私に踏み込んでくる。


お昼を一緒に食べるときも 何かと剛に絡んでいて 私に何か言いたいことがあるような ないような。


何を考えているのかよめない。


「おーい 席につけー。」


担任が教室に入ってくると 夏架と砂依も席に戻った。


砂依と相澤くんを交互に見る。


砂依は相澤くんのことが好きと言うけれど 2人が話しているのを見たことがない。


「…ほんとに好きなのかな。」


思わず口からこぼれた言葉。


「ん? 高木 何か言ったか?」


妙に敏感に反応した担任に ムッとする。


「いえ 何も。」


注意を受けた私に クスクス笑うクラスメイト。


相澤くんも私を見て笑ってる。


にこって笑い返したら 満足気にまた黒板に目を戻す。


そしてそれを複雑そうな表情で見つめる砂依。


……前言撤回。


砂依は 相澤くんが好きなんだ。


本当に 好きなんだ。


あの目は 私を確信させた。


切なく 愛しそうに見つめる目。


…だけど ならどうして話しかけたり 近付いたりしないのかな。


そんなに内気だったっけ?


何か あるのかなぁ……。




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