*9月26日* ―それでも君が好き―
砂依が教室に戻ってきたのは 授業が始まってからだった。
砂依が教室に戻ってくる少し前に 砂依から入ったメールをバレないようにこっそりもう一度見直す。
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from. 砂依
件名/Re:
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さっきごめんね
目洗ったけど 痛かったの
だから保健室行ってたんだ
大丈夫だから気にしないでっ
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んー ほんとかな。
…でも もし砂依に何かあるとしても 砂依が私に話したくないなら無理に聞いてはだめ。
分かってはいるつもりだけど 気になるんだよね。
「……では ここの問題を高木さん。」
「えっ!?」
うぅ 何も聞いてなかったょ。
問題も意味分かんない…。
「…えっと もう一度お願いします…。」
肩を小さくして言う。
「ぼーっとしていても 勉強にはなりません。頭にも入りません。ちゃんと聞いていなさい。」
ピシャリとどぶ厳しい一言。
「…すいません。」
眼鏡を人差し指で直して チョークの粉がついて白くなったスーツを払った。
切れ長の目はまだ私を見たまま。
「…すいません…。」