*9月26日* ―それでも君が好き―




高校生にしてはちょっと洒落た台詞を並べすぎた。


だけど んまぁ気分は最高。


お互いの拳をガツンとぶつけ合ったからだろうか。


なんか 敵っていうか同士だな。


「剛 相澤くん!!」


問題の彼女。


もちろん駆け寄って行くのは隣の宮津だ。


「何話してたの? ケンカ?」


「別にー。 大人の事情。」


外見は……別に特別可愛いって訳ではないよ。


むしろ普通。


ちょっと可愛いかな。


背だってチビでちっちゃいし だからスタイルが良いわけではない。


でも 素朴な雰囲気が何だかドキドキさせるんだ。


初めて会ったのは食堂。


モグモグと口にお弁当を頬張る姿は小学生。


第一印象は まさにそれ 小学生かよっ。


でも 会話を重ね 奴を知る度に 俺は驚くほどのスピードで彼女に惹かれていった。


優しく 温かく 懐かしく 愛しい。


好きだ 好きなんだよ 堪らなく。


負けたくない 負けたくなんかないんだ 絶対に。


手に入れたい 手にしたいんだ 高木奈穂を。


あぁ 久しぶりですね 俺の恋心。




< 65 / 82 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop