*9月26日* ―それでも君が好き―
ブー ブー ブー
「…っ……。」
目を開けると 流れる雲。
それを囲む窓枠。
そして教科書。
……あ 考え事をしてたら寝ちゃったんだ。
私を夢から覚ましてくれた携帯を 胸ポケットからこっそりだす。
居眠りにも気が付かないおじいちゃん先生だから 携帯だってバレなかった。
バイブの正体はメールで 送り主は相澤くんだった。
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from. 相澤 怜邪
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奈穂ちゃん起きろー
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わっ 寝てたの見られてたんだ。
…わざわざ起こさなくたっていいのに。
むすっと相澤くんを睨むと タイミングよく相澤くんが振り返り 「へへっ。」とはにかんだ。
全く 本当に幼稚なんだから。
ため息を一つついてまた相澤くんを見ると また携帯をこそこそといじっているのが見えた。
なにやってるんだか。
…って 私が言えることじゃないけど。
「でわ もう時間ですので今日はここまでにします。 次回までに課題終わらせておくこと。」
おじいちゃん先生の一言で 丁度チャイムがなった。
「っしゃー昼休みだー!!」
なんて声があちこちを行き交うなか 夏架と砂依がまた呆れた様子で私のもとにやってきた。
「まーた寝てたでしょ?」
「よくその授業態度で点数とれるよね。」