*9月26日* ―それでも君が好き―




「あはは…。」


苦笑いで返すと 2人が少し言いづらそうにしながら言った。


「あのね奈穂 同中の子たちからお昼に誘われて…。 ごめん 今日わ別ね。」


夏架が遠慮がちに笑った。


「…あぁ いいよ全然。 行ってらっしゃい。」


だから私は満面の笑みで言った。


「ありがとう!!」


そしたら満面の笑みで返ってきて 少し寂しい。


ぽつんと1人取り残されて やけに静かな教室を見渡す。


…だれか一緒に食べてくれそうな人……


その時ふと相澤くんと目があった。


携帯を片手に私に歩み寄ってくる。


「なに どうかした?」


少し引き気味に言うと 表情を変えずに無言で私の前まで来て立ち止まった。


視線を下に向け 何か言いたげな顔をしながら考えているようだった。


「…あのさ。」


相澤くんが言いかけたとき 丁度携帯の着信音が教室に響き渡った。


「あれっ バイブにしてたはずなのに…!!」


慌てて電話にでると 元気な声が聞こえてきた。


「奈穂 丁度席が2つ空いてるから 相澤と2人で食堂おいでよ!! 夏架ちゃんたちと同中の子に 今日集まるって聞いたから 奈穂1人でしょ?」


私の気持ちをよく分かってくれている潤。


「ありがとう すぐ行くね。」


その優しさに 私の胸はいっぱいになる。


「…用事?」


相澤くんが眉を下ろして言った。


「あっ 潤が相澤くんと食堂おいでって。 席が2つ空いてるんだってよ。」




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