「恋」って何だろう。
「えー、今日は皆さんに入部したい部活を決めてもらいます」


今日は、放課後を使って部活見学を行う。


「永原さんは、何部見に行くの?」


「天文部と、テニス部かな。」


「テニス部!?永原さんってテニスできるの?」


「うん。小学校のときに、ちょっと習ってたんだ」


「へぇ〜すごいね!!あと、俺も天文部見に行くから一緒に行こうよ」


「うん//」


ひゃ〜っ…カッコいい



そう思っていると、煌と小川さんの声がした。



「「西塚く〜ん」」



嫌な予感。




「私たちも天文部見に行くから、一緒に行こうよ〜」


「いつも永原さんとばっかりじゃつまんないでしょ〜?」



「それに瑠花は西塚君が天文部に入るから天文部にするんだよ!!」




あぁ……。



やっぱり私は――。




小川さんと煌が色々言っていくたびに西塚君の顔が赤くなる。



でも、その赤さは恥じらいのものではなかった。






「あんたら、いい加減にしなよ!」




優しい西塚君の口からそんな言葉が出てきたので、私と小川さんと煌は開いた口がふさがらなかった。




「さっきから永原さんのことグチグチ言って……すっごく可哀想だぞ!?あんたらもひどいことしたって思わないのか!?」



「ふふっ。ひどいことですってぇ〜?だって、王子様にクズみたいな女、必要ないもの。」



「永原さんは…クズなんかじゃないっ!!」




西塚君…。守ってくれて…



「永原さんは優しい人だ!永原さんの悪口言う方がクズだよ!!」



小川さんと煌は黙った。




「行こう。永原さん」



「え、うん。」





西塚君が、私の手を掴んでる!



クズって言われた女の手を――。



私と西塚君は、急いで天文部の場所へ走った。
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