「恋」って何だろう。
族ってヤンキーの…


「親の扱いもひどくて。俺に週1回金渡すだけで、何もしてくれなかった。」


「今は?」


「今は大丈夫。ここに引っ越してきたのも気持ちを切り替えるためだったんだ。」


「うん………」


「小学校6年の3月くらいに、生活が不満ばかりだったから俺はキレた。『今のままじゃ俺はダメだから、そのためには親が変わらないといけない』ってな。」


「そしたら?」


「そしたら、母さんと父さんが俺に土下座した。すっごい泣いてた。それで、色々考え直してここに来たわけ。」


「大変だったね。」


「あぁ。髪の毛もちゃんと元に戻したよ。去年までは金髪だった」


「金髪の夏樹見てみたいかも。」


「デートの時に持ってくるよ。」


「よろしく。」


「俺ってさ……」


「ん?」


「ヤンキーっぽくなってないよな?」


「いや、そうなりつつはあるような。」


だって村雨先輩に告白された時に…。


「はあ…そっかぁ。」


「でも、無理にキャラ作らなくてもいいんだよ?今の優しい夏樹も好きだけど、ヤンキーみたいな夏樹も平気だよ?」


「瑠花……ありがとう。」


「夏樹の全てを受け入れるから。大好きですっ。」


私は、初めて自分から夏樹にキスをした。



大好きな、はずだけど。


なんだか、村雨先輩が心に在った。
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