北風と太陽と、その他諸々
その日は、何年かぶりに、家で1人だけの夕食だった。
自分が家で食べない事はたまにあるが、
ユエも理央もほとんど外で食べないので、自分が夕食の時1人になることはなかった。
ユエは家にはいるが、また部屋に閉じこもっている。
ユエの様子がおかしい理由がなんとなく思い当たった。
理央は一体どういうつもりなんだろうか。
今日の放課後、廊下を歩いていてふと窓の外を見ると、理央が友紀乃と一緒に裏門にいた。
それを眺めていた直後、夕食はいらないというメールが理央から送られてきた。
やっぱり、あの2人…
どうしたものかと思いながら、よく味の染みた鶏肉を、麦茶で流し混んだ。