最後のお願い。
真実
「…美羽は死んだ」
「え?」
「美羽は死んじゃったの!!」
俺は信じられなかった。
頭の中が真っ白になった。
そこで結愛から告げられた真実。
「美羽は白血病で入院してた。
毎日毎日泣いてた。
でも海翔がいるから頑張る。って
一生懸命生きようとしてた。
だけど勝てなかったんだね。
美羽が生きた最後の日、
ママから「美羽が…」って
泣きながら電話きて
ダッシュで病院行ったんだけど
間に合わなかった。
美羽はもう逝っちゃってた。
美羽の葬儀するために
知り合い集めようとしたんだけど
なぜか美羽、携帯のデータ
全部削除してたんだよね。
アドレス帳も通話履歴も
カメラフォルダも全部。
だから誰にも連絡できなかった。
もちろん海翔にも
連絡したかったんだけど
連絡先分からなかったし
連絡しようがなかった、ごめんね。
だから美羽が死んでから
ずっと海翔を探してた。」
そう言いながら結愛は
1冊のノートと
1枚の封筒を鞄から出した。
「これね、美羽が死んでから
毎日持ってたんだ。
いつ海翔に会ってもいいように。
やっと海翔に渡せた。」
その場ではそのノートと手紙を
開くことはできなくて
家にもって帰った。