最高の片思い!
H1
今から四年前にさかのぼる。


私は21歳。この日は小学生からの友達の誕生日。
6月21日である。この日の夜が明け、朝になろうというくらいの時間帯。


この日が私を変えた。
友達と私との二人。相手側も男二人。合コン…?飲み会……そんなところか。

男側の一人が私達の車の窓を「コンコン」と叩いている。フイに振り返った私は、一瞬自分の胸の奥がギュッと熱くなった。
『一目惚れ』………?目がハートマークになるくらいの勢いだった。彼は、英明君といって、お互いの会話に対してビックリすると、「マジンガッ!?」とよく発していたのを覚えている。
………おそらく、今現在はもう言わないだろう。


英明は身長がとっても高くて、私(177センチ)でさえ見上げるほどだった。

四人で飲んで会話して、さわいだ。あっという間に帰る時間。私達はその日はそれぞれ別れた。特に私は、熱くてほてった心をどうしたらいいかわからなかった。

四年後の今でも忘れることが出来ない恋になるとも知らずに。




私は、今までどれくらいの男と付き合ってきたのだろう。2桁くらいか。……それらの恋を一瞬で追い抜いてしまうくらいの大きな、そして、最高の片思いになったのではないかと今になって思ってしまう。
英明という男にそれほどのめり込んでしまったのだ。

英明と会えない時のほうが多かったのでいつもメール…。気まぐれに送信されてくる英明からのメールはとっても来るのが、嬉しくて嬉しくて仕方がなかった。たった一言のメール
『おはよ。』
それだけで私はドキドキワクワクして嬉しがっているのを覚えている。
………いずれ、それがなくなる日が来ることも知らずに。




10月3日。
私の誕生日に英明は、Keyケースをプレゼントしてくれた。
とっても嬉しかった。大好きな人からのプレゼント。それが片思いだとしてもそんなもん関係ないくらい嬉しかったのを覚えている。


英明と出会ってから自分が少しずつ向上していくように思えた。









ふざけ半分で手を繋いで歩いたことも、私に英明が気持ちが無くてもよかった。
最初からそう思っていたけど心のどこかで英明が私を見てくれる日が来ると信じながら。
少し期待してたんだ…。




そして、一年が過ぎた。

6月21日。 英明は私の前からいなくなった。


何回かメールしても返って来ない。それからしばらく、英明のアドレスが変わっていた。

別れの言葉もない。
物足りない終わり方だった。


二人でペアで買ったネックレス。四年たつ今でも大事にお守り代わりにバッグに付けている。












今も忘れられない英明。
今も忘れたくない英明。
初めての1番大きな片思い。
一つ成長したのかはわからないけど、忘れようとすればするほど心に大きな穴が空く。
そのポッカリと開いた穴をうめるのは時間がかかりそうだ。

今でも好きなのかもしれない。
だけど、過去を見てばかりいないでそろそろ前を向いて歩きだす頃だろう。





初めの一歩。歩きだすとき新しい何かが見つかることを信じて。



恋に臆病になりたくない。
前に進むのだ。



ps.
英明君ありがとう。
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