意地悪なご主人様【おまけ完】
「で、どうしてこんなところ、

うろついてるの?」


「え、あの、迷子って言うか・・

朝来た道と風景が変わると、

わからなくなっちゃって・・・」

そう言って苦笑いで答えた。

・・・

宗次は、

大声で笑い出した。

「夏樹ちゃんは、

方向音痴なんだね?」


「・・・はぁ。

そんなに笑わないでください」

顔を赤くして、

俯いた私。

「ごめんごめん」

そう言いながら、

私の頭を優しく撫でる宗次。

・・・

「オレも今から帰るところなんだ。

一緒に帰ろう」

「はい」

ニッコリ笑った宗次は、

私の手を引いて歩き出した。
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