いつか必ず…
「ごめん。
恥ずかしいよな!!」
…だから宙に浮いた感覚があったんだ…
確かに恥ずかしいけど、助けてくれたんだもん…
「…大丈夫だよ。
助けてくれてありがとう…」
私は冬也くんにニコッと微笑みかけた。
「川内、目が覚めたか?」
そこに先生が入ってきた。
「…先生。」
「広田…」
「川内は軽い熱中症。
大丈夫だと思ってたと油断したのだろう。少し休めば大丈夫だと思うが、今日の体育祭は諦めた方が良さそうだな。」
…そんな…
「川内が出ることは絶対できないのか?」
「諦めた方が川内の体調の為だ。」
「…でも…っ」
…冬也くん、私のために…
「ありがとう、冬也くん。
私は気持ちだけで十分だよ。」
「川内…」
「吉野、そろそろ体育祭に戻れ。」
「……はい。」
冬也くんは軽く先生を睨むと保健室を出て行った。