いつか必ず…



………


失敗を続けてこれで10回目。
少しずつは動いているけれど…


「さすがにもういいよ、冬也くん。
私は冬也くんの気持ちだけで十分だから……」


「じゃあこれが最後。」


冬也くんはコイン投入口に100円を入れると、もう一度チャレンジした。


するとそのぬいぐるみは持ち上がって、見事取ることに成功した。


冬也くんは取ったクマのぬいぐるみを私に差し出した。


「冬也くん…」


「川内のために取ったから、あげる。」


屈託のない笑顔に私はつられて笑顔になった。


「ありがとう。
大切にするね!!」


冬也くん、私の為にこんなに頑張ってくれてありがとう。


私は改めて、冬也くんの優しさに触れた。




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