いつか必ず…
私たちは一緒に校舎を出た。
偶然にも途中まで同じ道だったのだ。
私たちは2人とも無言だった。
そして沈黙を破ったのは先輩だった。
「…悠梨ちゃん…
あんな風に脅してごめんなさい。」
先輩…
先輩は私の一歩前に出ると頭を思い切り下げた。
「…先輩、顔を上げてください。」
私の言葉にゆっくり顔を上げる先輩。
確かにいろいろ悩んだけど…
「先輩も私も仲間だから。」
先生が好き同士の仲間。
「やり方は間違ってたのかも知れません。…でも私は怒ってません。」
「悠梨ちゃん…」
「私は気が弱いし、先生に告白なんてできる自信ないけど、先輩と同じくらい、先生が大好きなんです。」
どうしてもこれだけは譲れなかった。
冬也くんの気持ちにすがるなんてことをしたくなかった。