いつか必ず…
きっと冬也くんは私に気を使って人気のない場所につれてってくれたんだと思う。
そんな冬也くんの優しさも今は苦しかった。
「悠梨…
なにがあったか、俺に話せる?」
無理に答えさせようとはせずにあえて話せる?って聞いてくれる冬也くん。
…冬也くんだけには本当のことを話そう。
そう思った私はこくりと頷いた。
「…私ね、フられたの。」
「…え…」
「 “君は生徒で、俺は先生。
……それ以上でもなければそれ以下でもない。”って言われちゃった。」
そんなことわかってたのに言葉にされると本当にキツかった。
「あんなにたくさん応援してくれたのに…ごめんね。」
私は無理矢理笑顔を作って冬也くんに言った。
そうでもしてないと、涙が止めどなく溢れてしまいそうな気がしたから。
「悠梨…もう、笑わなくていいよ。」
冬也くんはいつかと同じように私をぎゅっと抱きしめた。