いつか必ず…
「泣きそうになっても無駄だよ?
こんなとこ、誰も探しになんてこない。
…そうだ、可愛い悠梨ちゃんに良いこと教えてあげようか?」
「…」
良いこと…?
「陽と冬也ね、元ヤンだよ。
しかも随分とヤンチャしてたね。
…ずっと虐められてたあんたには釣り合わないんじゃない?」
なんで私が虐められてたこと知って…っ!?
それと…冬也くんと陽くんが元…ヤン。
あんなに優しい人たちが…
…そんなことを考えながらも、今日の陽くんの様子が頭をよぎった。
それに冬也くん、“気をつけろ”って…
このこと…だったんだ。
「なんとか言えよ。
あ、ビビりなあんたには無理か。
…その泣きそうな可愛い顔、冬也たちの前に晒せない顔にしてあげようか?」
いや…っ!!
誰か………っ!!
「広田先生っ!!」
私はとっさに、自分でも不思議なくらいに広田先生の名前が自然に出ていた。