いつか必ず…

淡い思い



突然の抱擁。
戸惑いが隠せない……


「川内…君の震えが止まるまで、こうしてるから、弱音、吐いてもいいんだよ…



…先生…


「…怖かった。
昔の記憶が一気に蘇って私、このままどうなっちゃうんだろうって…」


先生は私の背中をポンポンしながら静かに私の心の内を聞いていた。


「川内がいつになっても来ないから心配した。
川内の教室行ったら誰もいないし、いろんな生徒に話し聞いたら柄の悪い女二人と屋上に向かったって聞いたから…
まさかと思って…でも、間に合ってよかった…」


…心配して、探しに来てくれたんだ…
先生の優しさが身にしみて、素直に嬉しい。



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