いつか必ず…
「悠梨ちゃん、ここどういう意味?」
…あ。
ここ、この前に先生に教えてもらったところだ…
「ここは、聖徳太子が定めた二つの法律、冠位十二階と憲法十七条。
冠位十二階は個人の能力で人物を評価するために定められた。そして憲法十七条は官僚の心得をとくために定められた。ちなみに聖徳太子の別の名が厩戸王(うまやとおう)ね。」
…で、合ってるよね?
歴史が苦手な私は少し不安になりながらも先生に教えてもらったことをがんばって伝えた。
「ああ、そういうことか。
ありがとう、悠梨ちゃん。」
「いえいえ。」
私たちしかいない教室には4人がシャープペンを走らせる音と、みんなに勉強を教える私の声だけが響いた──