華-ハナ-
秘密
.



「絢華、着いたぞ!」


「……ん…」



眠い……


重いまぶたをゆっくりと開ける。


川越さんが指定した場所は、とってもお洒落な小料理屋さんだった。



「こんな立派なお店、圭介がいるけど大丈夫かな?」


「川越さんは、絢華に小さい子供がいることは知ってんだろ?」


「うん、ちゃんと言ったけど」


「じゃあ、きっと大丈夫だよ」



だよね、あたしちゃんと言っておいたもんね。


車を駐車場に停め、車から降りた。



「絢華ちゃん」



名前を呼ばれて振り返ると、そこには……



「あ、川越さん、こんにちは」


「こんにちは。遠いところまで来てもらって悪かったね」



川越さんが、凄くやさしい笑顔で出迎えてくれた。



「いえ、ついでに家族旅行もできそうなので、気にしないでください」
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