華-ハナ-
「ここはね、俺の幼馴染みの両親がやってる店なんだ」


「あ、そうなんですか?」



だから、圭介がいても大丈夫なのかな?



「それに……」



突然、川越さんの声のトーンが落ちて、どこか遠い目をした。



「絢華ちゃん、今日は包み隠さず華とのことを話そうと思うよ」


「え」



お母さんのことを?


包み隠さずって、何?



「絢華ちゃんは、華から何も聞いてないんだよね?」


「あ、はい」



それどころか、お母さんに会ったこともないよ。



「とりあえず何か食べる?」


「いえ、お昼は済ませてきたので」


「そうだな。この時間なら済ませてるか。じゃあ、デザートでもどう?」


「食べるっ!」



と横から口を挟んだのは優華。
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