華-ハナ-
そう言って、お母さんはあたしに福袋を手渡してきた。



「気に入るかわからないけど」


「お父さん、お母さん、ありがとう!凄く嬉しい!」



中には洋服が入っていた。



「俺には?」


「あっ!誠と舜の分、忘れてた」


「「はぁー!?」」



ふふ、二人の声、ハモってるし。



「嘘よ、はいこれ」



そう言われて、舜も受け取っていたけれど……


お父さん!お母さん!


いくら使ったのー!?


こんなふうに与えられるばかりの愛を受けるのは、凄く久しぶりで……


ほんとに心が温かくなる。


あたし、幸せだな。






お昼から、舜の実家を出て、お墓参りへ行った。


蒼太と優華にとっては、優太は血のつながった父親。


二人には優太のことをいつまでも覚えていてほしいし、好きでいてほしい。
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