華-ハナ-
「俺も、そんな話は知らない。須藤ちゃんに話してないなら、優太はきっと、誰にも話してねぇよ」


「え?太一さんにも?」


「ん。優太にとって、須藤ちゃんが一番だったんだからさ。須藤ちゃんが知らねぇことは俺も知らない」



じゃあ、誰も知らないってこと?



優太の親は――…


いくら、優太を置いて家を出たとはいえ、自分の息子が亡くなったことを知らないって……


それでいいのかな?


今度、優太が住んでいたアパートに行ってみようかな。



「優太のことはおいといて、須藤ちゃんのことは何でわかりそうなの?」



太一さんも気にかけてくれてたのかな。


優太が亡くなったとき、頼る人がいないあたしのことを、必要以上に心配してくれていたんだもんね。
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