華-ﾊﾅ-
でも今回は――…



「太一さん、今は自分のことでもバタバタしてて、そんな暇はないかもしれない」



忙しい川越さんが、いつどのタイミングでここへやってくるかわからない。


今は、それを優先させたい。



「そうだな。今回はそっちを大切にした方がいい。優太もきっとそう思ってる」



優太も……？


うん、あたしもそう思う。


優太はいつだって、あたしのことを一番に考えてくれていた。


だから、きっと集まりよりも川越さんを優先することに、何も言わないと思う。


むしろ、“そうすればいい”と肯定してくれるに違いない。



「じゃあ、また来るよ」



太一さんはそう言って、帰っていった。



そのあと、優華と圭介を迎えに行った。
< 150 / 247 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop