華-ハナ-
.



「絢華、今日太一さんが来たんだって?」



子供達が寝静まったあと、リビングのソファーでくつろぎながら、舜が口を開いた。



「あ、蒼太から聞いたの?」


「ん、心配してたぞ」



心配?



「え、何の?」


「『お母さんが泣いてた』って」



あ、やっぱり、蒼太は気付いてたんだ。


あのあとの、蒼太が太一さんに接する態度を見て、そうかなとは思っていたけれど。


やっぱり、蒼太は勘が鋭い。



「いろいろ話してたら、つい泣いちゃって」


「絢華、あんまりこんなことは言いたくねぇけど」


「何?」


「絢華が太一さんに気を許せるのは知ってる。優太さんの親友だし、その当時のことも俺より知ってるしな」


「舜?」



何が言いたいの――…?
< 151 / 247 >

この作品をシェア

pagetop