華-ﾊﾅ-

「それでね、急に“優太の親は今どうしてるんだろう”とか“優太のことを探してたりするのかな”って、思い始めて」



大好きな笑顔で笑っている優太の遺影を見ていると、当時の優太のことを思い出して、目頭が熱くなってきた。



「優太ってね、自分の親のことは、何も話したがらなかったの。あたしのことはいつも気にかけてたくせにね」



高校を卒業して、仕送りがパッタリとなくなったことも、あたしはずっと知らなかった。


優太と結婚するって話になった時に、初めて知ったんだ。


ずっと自分で稼いだお金だけで、生活していたなんて……



「それで？絢華はどうしたいの？優太さんの親を探したいのか？」



ずっと黙って聞いていた舜が、ようやく口を開いた。



「うん、できれば。でもあたし、優太の親の名前すら知らないし、探すのは無理かもね」