華-ハナ-
兄と妹
.



「絢華ちゃん、大丈夫?」



店長が心配そうに、あたしの顔を覗き込んできた。



「あ、すみません。大丈夫です」



今日のあたしは、オーダーを取り間違えたり、お皿を落としちゃったり……


とにかく失敗が多い。



「とりあえず、少し休憩してきな」



なんて、甘やかされっぱなしだ。



「すみません。……そうさせていただきます」



そのまま休憩室へと入った。


落ち着かない理由はわかってる。


だからって、プライベートを職場へ持ち込んだらダメだよ。



「はぁー」



無意識に溜め息が出た。



ガチャッ…



そう音を立てて休憩室に入ってきたのは……



「あれ?絢華ちゃん、休憩?」


「うん、隼人さんも?」
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