華-ハナ-
「お母さんに会うのはもう叶わないから、せめてお父さんという存在に触れてほしいなって、そう思う」



お父さん……



「正直、川越さんが絢華の父親だといいなって思ってる」


「え、何で?」


「きっと、……絢華のことを受け入れてくれる。実際に会って、そう思った」



あたしのことを、受け入れてくれるのかな?


でも――…



「あたしも、川越さんがお父さんだったらいいなって思ってる。……もしかしたら、あたしのせいでお母さんが亡くなったって責められるかもしれないけれど」


「それはない!あの人は、そんなことを言う人じゃない!」



あたしが言った言葉に、舜は声をあらげて否定する。



「最初は動揺したりするかもしれない。でも、川越さんなら大丈夫だよ。俺はそう思う」
< 173 / 247 >

この作品をシェア

pagetop