華-ハナ-
さっき川越さんは、『後悔しかない』と言った。


舜が言った『それとも』のあとに続く言葉は、もしかして……



「川越さん、さっき言った後悔って……、あたしのことですか?」



あたしがそう口にした瞬間、パッと顔をあげた川越さん。


その目は大きく開かれていて……


もしかして、当たっていたのかな。



「……川越さんの思いを、聞かせてください」



もし、その後悔の原因があたしにあるのなら、すべて聞きたいと思った。


一瞬、息を呑むように驚きの表情を見せた川越さんだけど……


小さく息を吐いたあと、静かに口を開いた。



「恐らく、俺が君の父親だと思う」



もう、驚きはしなかった。


やっぱりそうなんだ……と、胸の中がスッキリした気がした。
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