華-ハナ-
確かに優華はバスケしないけど……


優華はバスケよりも、今はピアノにハマっていて……


週に一回、ピアノ教室へ通ってる。



「絢華も行って来なよ」



いいのかな。



「ほら、早く!」



そう言って、紗羽に背中を押された。



「じゃあ、……お願いしようかな。なんかあったら携帯ならしてよ?」


「りょうかーい!」




公園へ来たけれど、この寒い時期だからか、正月だからか、人が全然いない。


蓮くんと紗羽は、こっちへ来るたびにうちへ寄ってくれて……


晴れていれば、一緒にバスケしたりする。



「蒼太、すっげぇうまくなってねぇ?」



蓮くんが感心したように言う。



「そうなんだよ。蓮もそのうち抜かれるぞ?」



蒼太は、ほんとにみるみるうまくなっていく。


だからいつも舜は



『優太さんの血はすげぇな』



なんて言う。


そのたびに涙がこぼれたりするんだけど……
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